玲華は真っ暗な暗闇に

一人で寝転んでいた。

何の温度も感じない、ただ

ひたすら、漆黒の世界が

広がっている。


 もうどれくらい、ここで

眠っていたのだろう。

まぶたを開けようにも、

重すぎて、開けるのが大変で。


 目を開けても、そこは

薄暗いところだった。目を擦ろうと

するが、手が動かない。

何とか、暗さに慣れようとする。


 まだ意識はぼうっとしているが、

なんとか記憶だけは残っている。


 蓮の姿が見えない。ゆっくり

起き上がったが、身動きが取れない。

「ようやくお目覚めかい?」


 しゃべろうとしても、何かで

口が塞がれている。今のではっきり

したが、手足は後ろで縛られている。


 コツコツと遠くから足音がする。

玲華はその音がする方向に振り向いたが、

そこにいたのは、さっきいた連中より

悪質で、怖そうな奴がいた。


 肩にポンと手が置かれる。

玲華はビクンと体を震わせた。

「おいおい、そんなに怖がるなよ。

俺は別にお前を傷つけたりしねぇ」


 その人は玲華をひょいと持ち上げると、

そのまま別の部屋へ連れて行った。