「好きなんだ、付き合ってほしい」

 ちょうど一週間前、学院の屋上で

言われた言葉。今でもその言葉は

彼女の鼓膜にしっかりと響いていた。


 彼女の名前は科野玲華。

清皇学院中等部、2年2組の生徒だった。

色素の薄い髪とパッチリとした目が

特徴だ。クラスでは学級委員を、そして

学年では委員長という、優秀且つ真面目で、

模範的な生徒だった。


 そして、そんな彼女の告白したのは

2年4組、鷺川蓮だ。玲華とは正反対と

言えるほど、彼は一言で言うと「不良」

だった。彼がしっかりイスに座って

勉強している姿など、誰もが想像しない。

彼は今2年だが、今まで1年間の間に

中等部の先生を辞めさせたり、病院送りに

したりしただろうか。