「デートっていう表現が悪かった?

だったら、一緒に帰るとか」

「それは無理」


 玲華は即答して、頬杖をついた。

「どうして?」

「部活あるじゃん」


 玲華はどの部活にも所属してないし、

サッカー部の蓮とは帰宅時間が違うのだ。

「待ってれば?」


 李緒は笑いながら言った。そのとき、

玲華は良案を思いついた。

「今日委員会がある」


 玲華は学級委員だ。その会議が

遅くなれば、サッカー部の帰宅時間と

一緒になるかもしれない。


 今日はちょうどよく、お昼は蓮と食べる

約束をしていたし、そのときに話そうと

玲華は決心した。

「長引くといいねぇ」


 李緒は嬉しそうに飛び跳ねていた。

「うんっ」


 と、言ったとき、教室に担任の倉峰が入ってきた。

「みんな、おはよう」