「私が瑠菜の立場だったらもっと動揺すると思うし」 膝を抱える千吏が小さく見えて、私はゆっくりと身体を起こした。 「瑠菜は…どうするの…?」 私の様子を窺うと静かに言う。 「どうするって…?」 「奏芽はここからいなくなっちゃうんだよ…?」 ……奏芽がいなくなったらきっと寂しくなる。 私の鈍い頭で考えられるのは今はそれくらいのことだけだった。 千吏は更に続けた。 「瑠菜は…本当にこの町に残るの…?」 ……千吏が本当に言いたいことが何だったのかこの時ようやくわかった。