「そう言えばそれ、なに?」
古着かなにか?
そう続くはずだった言葉は喉の奥から出てこなかった。
……見上げた奏芽の目があまりにも真剣だったから。
奏芽は紙袋を床に置くと、私の肩に手を置いた。
「どうした…の…?」
何かいけないことでも聞いてしまっただろうか。
「あのさ…瑠菜…。話があるんだけど…」
(話…?)
こんなに真剣な奏芽を私は初めて見た。
何年も一緒にいるのにまるで知らない人みたいだ。
……なんだか怖い。
ピンと空気が張り詰めていた。奏芽が息を吸う音が聞こえたような気がした。
「俺…」
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