キミノタメノアイノウタ



「悪かったな、家に居なくて」

奏芽はよいしょといかにも重そうに紙袋を抱えながら、階段を一段ずつ慎重に下りてきた。

「それで俺になんか用か?」

……私はようやく用件を思い出したのだった。

「来週の花火大会行く?」

「もうそんな時期か…」

奏芽は迷っているのか、カリカリと頬をかいた。

「……まさか行かない気?千吏の暴走を1人で止めろとでも?」

非難がましい目で見ていると、奏芽がうっと呻いた。

「行くよ…。行けばいいんだろ?千吏にもそう言っておいて」

「わかった!!」

やっぱりそうこないと奏芽らしくない。

三人で行かないと、楽しさも半減してしまう。

景気づけにバシンと奏芽の背を叩くと、抱えていた紙袋がガサリと揺れた。