キミノタメノアイノウタ


「一応誘ってみるけど、ダメでもともとだからね?」

花火、花火とはしゃいでいる千吏に忘れずに念を押していく。

兄貴は行かないだろうということは簡単に予想できたが、あえて口に出さずに心にしまっておく。

……兄貴はこういう行事にはとんと興味がないのだ。

花火大会の話が一段落して、ようやく勉強が再開された。

奏芽のことを思い出したのは参考書のページをめくっているときだった。

(奏芽にも行くか聞かなきゃな)

……そういえばうちの庭で花火をしてから全く会っていなかった。

花火大会のこともあるし、帰りに奏芽の家に寄って帰ろう。

私はそう決めると、赤ペンを取り出して問題の答え合わせを始めた。