キミノタメノアイノウタ


「このままだと高校生活最後の夏の思い出は全くないのよ!?信じられる!?」

「仕方ないじゃん。私達受験生だし」

……私もあなたと同じ生活を送っているんだけど。

あー!!と叫んで千吏はテーブルに俯せになった。

「もう勉強ヤダ…」

「ハイハイ。それはもうちょっと時間が経ってから言おうか」

まだ勉強を始めて1時間しか経過してない。

千吏にしては長く持った方か。

ぶーぶーと不満を漏らすように口を尖らせると、千吏はテーブルから顔を上げた。

「ねえ、瑠菜も花火行くでしょ?」

「えー」

はっきり言って、迷っている。

受験の息抜きにでもどうだと、母さんは張り切って浴衣の準備していたけれど。