キミノタメノアイノウタ


「良いとこのお坊ちゃまがこんなところで何してんだよ。その制服、この辺じゃ偏差値の高い私立中だろ?」

俺は言い返すこともその場から動くこともできなかった。

そうしていると、はあっと盛大なため息をつかれる。

男はチラリと五線譜を覗いた。

「ハル、曲はできたんだろうな?」

「え!?出来てるに決まってんだろ!?」

「出来てないんだな。よーくわかった」

やれやれと下ろした腰を再び上げて、男は服の埃を払った。