この歌の何が心を揺さぶっているのだろうか。 俺はただ突っ立って歌を聴いてることしかできなかった。 やがて音は鳴り止んだ。 「うーん…。今日の出来はいまいちだなー」 そいつは俺に構わず、ギターをケースにしまい始めた。 雨はまだ…止まない。 「どうして…そんな風に歌えるんだよ…っ…」 口に出した言葉はやつ当たりのようだった。