キミノタメノアイノウタ


「お前…泣いてんの?」

からかうように言われてムキになって返す。

「…っ!!泣いてない!!」

違う。本当はちょっと泣いてた。

会いたかった。でもホントは会いたくなかったのかもしれない。


……それでも出会ってしまった。


「まあいいや。やっぱり誰か聞いてくれてたほうが気分もいいしな」

ふんふん~と節をつけて歌うのはなんて事ない。

この間のように楽譜もないただの旋律。

それでも涙はポロポロと溢れてきた。