(うわ、どうしよう……)
てっきりプロと言ってもあまり売れていないのだと勝手に思い込んでいたのだ。
……だから名前を知らないのだと。
今にして思えば世間知らずなのは私の方で、灯吾に対してあれこれフォローを入れたのが失礼なくらいだ。
「瑠菜、お前もうちょっとテレビくらい見れば?」
「うん…そうする…」
嫌味ったらしい親切な助言に素直に頷く。
兄貴は箸を置くと、ダイニングテーブルに頬杖をついてふうっと息をはいた。
「本当はこんなところにいる場合じゃないんだけどな……」
そう呟いた兄貴は我が家のダイニングでもなく、この田舎町でもなく。
……ずっと遠くを見つめていた。
その先にあるものが知りたくて、私は思いきって尋ねてみた。



