キミノタメノアイノウタ


「ねむ……」

(やっと起きてきたのか)

自分の使った食器を片付けていると、盛大なあくびと共に兄貴がダイニングに現れた。

「今日は早いじゃん」

いつも昼過ぎまで寝てるというのに今日はどういう風の吹き回しだ。

「まあな…瑠菜…俺もメシ…」

「ハイハイ、ちょっと待ってて」

兄貴は椅子に座ると、テレビのリモコンを持ってチャンネルを変え始めた。

椅子の上であぐらをかき時折頭をかいている姿からは、ミュージシャンなんてクリエイティブな職業についていることなんて想像ができない。

……だらしないおっさんのようにしか見えない。

やっぱり何かの間違いではないのかと疑いたくなる。