「お前さあ、こんな得体の知れない男にノコノコついていくのは危険だって思わないのか?」
これは、素直というよりかは無防備と言った方が良い。
連れ出した本人に指摘されているようでは、年頃の女の子の危機感としては甘い。
瑠菜は呆れたように言った。
「なによ。自分が誘ったくせに」
「まあ、そうだけどさ……」
……まさか本当に頷くとは思っていなかったのだ。
瑠菜は軽く笑って言った。
「灯吾は何もしないでしょ?」
「当たり前だろ!!」
侑隆にバレたらと考えただけでも恐ろしい。
……いや、それ以前に人としてそんなことしないけれど。
「それに…」
ポツリと呟く声が風の中に溶けていった。
「兄貴がそんな人を連れてくるとは思えないし……」



