年上のこの幼馴染みはどうにも実年齢より子供っぽかった。
しかし、体つきは日頃の肉体労働で鍛えたせいかしっかりとした筋肉がつき、幼い内面とのギャップがいいと近頃女の子から人気が出ているという。
私から言わせていただくと、みんな目が悪いんだと思う。
「……誰?」
沈黙を守っていた灯吾が、私に向かって尋ねた。
「幼なじみの達広だよ」
そう説明すると、ああ例のと納得したように頷く。
「タツ、畑は?」
「あ?直ぐ戻るよ」
タツはおかずに箸をのばしながら答えた。
「畑…?」
「こいつの家、農家なんだよ。この時期は夏野菜の出荷で忙しいんだよ」
兄貴はご飯のお代りを要求すると、タツの皿からこっそりおかずを掠め取っていった。
「へえ…」
灯吾は感心しているようだった。その様子に違和感を覚える。



