ミューは2匹の仔猫を優しく舐めてやりながら、ホワイトのことを思い出していました。 

 出会ってひと目で恋に落ち、翌朝ホワイトとミューはこう約束したのです。
「一緒に住もう。」

 ところがホワイトの飼い主の姿が見えると、ミューは怖くて隠れてしまったのです。

 ホワイトが飼い主に抱かれてマンションの中へといなくなってしまうまで、ミューにはそれがどういう意味を示すのかわかりませんでした。
ところが、マンションのドアが閉じられてホワイトの姿が見えなくなる瞬間に悟ったのでした。

もう二度と会えなくなるかもしれない。

 その瞬間ミューは生まれて初めて涙をこぼしながら、ありったけの声で鳴きました。
それは人間にはただの猫の鳴き声にしか聞こえません。
でも、ホワイトにはちゃんとその気持ちは届きました。

また会えるよね。また会えるよね。