が、彼は何の反応も示さなかった。 ――ドキドキしちゃって損じゃん。 と思ったのも束の間。 彼の顔を見たと同時に さっきの何倍ものドキドキが戻ってきた。 ――こんな綺麗な人、見たこと無い。 包帯を巻いていない所からチラチラと見え隠れする 金髪の髪と数本の銀メッシュ。 派手に染められてるクセに 羨ましいほどに全然傷んでなくて。 切れ長の瞳にスッと通った鼻筋。 薄くて形のいい唇。 うまく着崩させた制服。 女装したらきっとあたしより可愛い。 あたしは少しドギマギしながら彼の斜め前に座った。