いつからだっただろう…


彼を意識し始めたのは。

彼というのは、隣の席の男の子のことだ。


口は悪いけど、本当はすごく優しくて、バスケが上手くて…私だけが彼のいいところを知っている。

そう思っていた。



会話を交わしていくうちにどんどん彼に惹かれ、初めてもっと彼のことを知りたいと願った。


どんなことでもいい。

彼に近づきたいと…初めて思った。




もちろん、高1にもなってこれが初恋ってわけじゃない。


初恋は小学生の頃に経験済みだし、人を好きになるってどんなものかもわかっているつもりだった。



だけど、彼の場合は好きとか…レベルが違うんだ。



好きよりも深くて愛してるじゃ物足りない。


…この感情をなんて言えばいいんだろう??





………でも、彼には彼女がいる。


毎日のように口ゲンカしていた同じクラスの女の子…。



私は彼女のように彼とケンカしたことなんてなかったし、彼の表情からも私と話しているときのほうが笑顔が多かったから、彼女のことは眼中にないんだと……勘違いをしていた。