「その後、空が明るくなってきてさ、龍が風邪引いちゃいけないと思って、“家に帰ろう?”って言ったんだ。 そしたら、“婚約解消だ”って… 私、なんか龍の気に障ること言っちゃったのかなぁ?」 頭を抱え込むようにし、机に伏せる双葉先輩の肩は細かく震え、時々 「っつ…ひっく…」 と泣き声が聞こえてきた。 なんとかしたい… 泣き声を我慢するが、時折漏れる小さな声を聞きながら、強くそう思った。