あろうことかダルマは可愛らしいポメラニアンを通り過ぎ、ポメラニアンの飼い主であるお姉さんの方に飛び込んでいったのだ。
ビックリしたお姉さんは座り込んでしまい、ダルマはその隙をついて、お姉さんの頬や口の周りをペロペロと舐め回した。
「ちょっ!ちょっとダルマ!?」
女性が力一杯リードを引っ張ってもダルマはお姉さんから離れようとしない。
「…すいません!すいません!!」
女性はアタフタしひたすら謝っていた。
「…あはははは!ダルマくんって言うんだ!
可愛い♪何歳ですか?」
「五歳になります。
あの…そちらは??」
「二歳なんです。よかったら仲良くしてください。」
「こ、こちらこそ…!」
「━━━…こうして女性とお姉さんは仲良くなったんですよ。
で、その後何度か散歩を2人でしてみて、気付いたんだけど、ダルマが好きなのはポメラニアンではなく、お姉さんの方だったんですって。」
朋は冷たい麦茶を飲みながら、美鈴に向かって話した。
「え?じゃあ全部飼い主さんの勘違い?」
美鈴はクスクスと笑いながら片肘を付き、楽しげに聞いている。


