恋に恋する五秒前





ロビーにはたくさんの日本代表チームが集まっていて、その中に坂口ケンタと楽しそうに喋っているヒロヤスがいた。




(いつもは違う人といるのに、あのメンバーは珍しいな…。)


そう思っていた矢先


「ハナ、あの2人珍しくない?」隣にいたカナメが珍しげに見ていた。




「ワッハハハハ!」やけに坂口ケンタとヒロヤスは仲良さそうに話していた。



ヒロヤスのあの笑顔…初めて見た。


私と話しているときより楽しそう…



やっぱり、恋なんかしてる場合じゃないのかな…?



ついつい、マイナスな事しか思い付かない。



「な~に、暗そうに見つめてんの!!寂しいなら話し掛けておいで」カナメに背中を押される。




ヒロヤスはそんな私の姿など気付かずに、平気でみんなと楽しそうに話していた。


ヒロヤスも私と同じように、勝ち進んでいてあの笑みからして調子に乗っているにちがいない。