「何してるの?!もう遅刻するわよ?ママは今日会社のプレゼンがあるから車で連れて行ってあげれないわよ。」 スーツ姿の梨郁の母は自分の支度が出来て玄関に向かった。 「そんなぁ…」 「玄関の鍵閉めておいてね」 梨郁の甘えた声を無視して家を出た。 外からバタンッと母の車のドアを閉める音を聞きながら、家に独り取り残された梨郁は朝食を食べ終え、自分も家を出た。