ふと、まわりを見るともうひとりいます。 その人も桐生と同じように空中に浮かんで、崖下の大破したバスを眺めていました。 桐生より背が高く、一回りは若い女の人です。 透けるような白い肌には何もまとわず、それを恥じらう風もありません。 しかし、それは桐生とて同じこと。 素っ裸でいながら、それを恥ずかしいとは思いもしません。 そうあることが実に当たり前なのです。