pp―the piano players―

 結子は立ち上がり、つかつかと酒井君に歩み寄る。
「いつからいたの?」
「三人が来る前から」
「本当に?」
「いや、嘘だけど」
 しらっとした顔をして、酒井君は答える。


「あ、私、事務室に呼ばれてるんだった」
 愛美が唐突に声を上げた。それから、自分のと結子の荷物を持って、結子の腕を掴んだ。

「何よ」
「結子も付き合ってよ。私、あの副手さん苦手なんだ」
「は?」
 そして出口へ向かう。じたばたと暴れる結子をしっかりと抑え、笑顔で愛美は去って行った。
「じゃあね、サカイクン」