pp―the piano players―

 幼なじみ、と答えることにしている。それ以外の言葉でわたしたちの繋がりを言い表すことはしない。それは、先生と圭太郎君と交わした大事な約束。

「幼なじみねえ」
 二人はまだニヤニヤしている。
「早紀も、こう見えて結構遣り手ね」

 愛美の言葉に動揺して、手にしていたカップを落としそうになる。遣り手って何よ。

「男二人を手玉に取って」
「そんなことしてない」
 酒井君はともかく、圭太郎君にうだつの上がらないわたしにそんなことは出来ない。

「少しでも僕に興味があると捉えて、それはそれで嬉しいよ。僕は」

 わたしたちはゆっくりと振り返った。そこには、テーブルの上にコーヒーカップを置いて、モバイルパソコンに向かっている酒井君がいた。
「えっと、サカイクン…?」
 愛美が恐る恐る尋ねると、結子とわたしと本人がそれぞれ頷いた。