わたしも、圭太郎君を追った。どうしたんだろう。
「絵美子」
圭太郎君の声は落ち着いている。片や、病室から圭太郎を追って出たニーナさんと、ロビーで待っていた酒井君は焦った顔をしていた。
宮間さんと手を繋いでいた絵美ちゃんは、立ち止まってこちらを振り返った。圭太郎君が追いついて、絵美ちゃんに合わせて膝を折った。
「俺は、絵美子に会ったらお礼を言わないと、と思っていた」
「お礼?」
「先生が倒れたとき、絵美子が先生と一緒にいて、ばあさんと救急車を呼んでくれたんだろう? 絵美子のおかげで、先生が助かったんだ。ありがとう」
絵美ちゃんは、照れながらも大きく頷いた。
「その後も、先生の手術が無事に終わるように、一緒に待っていてくれたね」
わたしは圭太郎君の後ろから、絵美ちゃんに声を掛けた。
「そうか。やっぱり、俺が今日も先生と会えたのは、絵美子のおかげだな」
ありがとう、と圭太郎君は繰り返した。
絵美ちゃんは、えへへ、と宮間さんに縋った。宮間さんも、絵美ちゃんの体をわしゃわしゃと撫でながら言う。
「絵美子、僕のいとこの美鈴ちゃんを助けてくれてありがとう」
それなら、と背後からニーナさんが来て、絵美子ちゃんと握手した。
「大事なピアニストの師匠を助けてくれてありがとう」
向こう側で、酒井君が何度も首を縦に振る。「本当にありがとう」。絵美子ちゃんはまた照れる。
「美鈴さんを助けてくれてありがとう」これは加瀬さん。
「わたし、先生のこと大好きだもの」
大人たちにもみくちゃにされながら、絵美ちゃんは満面の笑顔だ。
「そろそろ、空港に向かいましょう」
時計を見てニーナさんが言う。
「と、ドゥメールに言わないと、ここを出るのにどれだけ時間がかかるか分からないわ」
酒井君に向かってニーナさんが言ったので、酒井君は肩をすくめてそれに応えた。「そうだね」
「絵美子」
圭太郎君の声は落ち着いている。片や、病室から圭太郎を追って出たニーナさんと、ロビーで待っていた酒井君は焦った顔をしていた。
宮間さんと手を繋いでいた絵美ちゃんは、立ち止まってこちらを振り返った。圭太郎君が追いついて、絵美ちゃんに合わせて膝を折った。
「俺は、絵美子に会ったらお礼を言わないと、と思っていた」
「お礼?」
「先生が倒れたとき、絵美子が先生と一緒にいて、ばあさんと救急車を呼んでくれたんだろう? 絵美子のおかげで、先生が助かったんだ。ありがとう」
絵美ちゃんは、照れながらも大きく頷いた。
「その後も、先生の手術が無事に終わるように、一緒に待っていてくれたね」
わたしは圭太郎君の後ろから、絵美ちゃんに声を掛けた。
「そうか。やっぱり、俺が今日も先生と会えたのは、絵美子のおかげだな」
ありがとう、と圭太郎君は繰り返した。
絵美ちゃんは、えへへ、と宮間さんに縋った。宮間さんも、絵美ちゃんの体をわしゃわしゃと撫でながら言う。
「絵美子、僕のいとこの美鈴ちゃんを助けてくれてありがとう」
それなら、と背後からニーナさんが来て、絵美子ちゃんと握手した。
「大事なピアニストの師匠を助けてくれてありがとう」
向こう側で、酒井君が何度も首を縦に振る。「本当にありがとう」。絵美子ちゃんはまた照れる。
「美鈴さんを助けてくれてありがとう」これは加瀬さん。
「わたし、先生のこと大好きだもの」
大人たちにもみくちゃにされながら、絵美ちゃんは満面の笑顔だ。
「そろそろ、空港に向かいましょう」
時計を見てニーナさんが言う。
「と、ドゥメールに言わないと、ここを出るのにどれだけ時間がかかるか分からないわ」
酒井君に向かってニーナさんが言ったので、酒井君は肩をすくめてそれに応えた。「そうだね」



