「早紀、何やってんの」
ソファーには先から、栗色をした頭が見えていて、手足の細い少女はそこで一生懸命にノートを開いて何やらやっている。あのとき俺を見て隠れてしまった女の子は、梅野早紀という。
圭太郎が覗きこむと、早紀はちょっとだけ顔を上げた。大きな瞳が圭太郎を認めて、口元が少し緩む。
「あとすこし」
「宿題? まだ夏休み始まったばっかりだよ」
ふふふ、と早紀は笑うと、またノートに戻った。
「ねえ早紀、それより、これいらないなら」
と、圭太郎はテーブルに置いてあるケーキに手を伸ばす。
「だめえ! あとで食べるんだから」
頬を膨らませた圭太郎は、そんなのわかってるよ、と捨て台詞と残して階段を上がっていく。
「先生、あとで来てくださいね。ベヒシュタインで練習してるから」
賑やかだ。時計を見ると夜の七時半を回ったところ。
嬉しそうに目を細めてベヒシュタインのある部屋から視線を落とし、そしてソファーで勉強を進める早紀を愛おしそうに見つめた。俺はそんな白峰美鈴をじっと見上げる。
「話があるんじゃないんですか」
俺に視線を戻した白峰美鈴は、小さく頷いてテーブルの向かいに座った。
ソファーには先から、栗色をした頭が見えていて、手足の細い少女はそこで一生懸命にノートを開いて何やらやっている。あのとき俺を見て隠れてしまった女の子は、梅野早紀という。
圭太郎が覗きこむと、早紀はちょっとだけ顔を上げた。大きな瞳が圭太郎を認めて、口元が少し緩む。
「あとすこし」
「宿題? まだ夏休み始まったばっかりだよ」
ふふふ、と早紀は笑うと、またノートに戻った。
「ねえ早紀、それより、これいらないなら」
と、圭太郎はテーブルに置いてあるケーキに手を伸ばす。
「だめえ! あとで食べるんだから」
頬を膨らませた圭太郎は、そんなのわかってるよ、と捨て台詞と残して階段を上がっていく。
「先生、あとで来てくださいね。ベヒシュタインで練習してるから」
賑やかだ。時計を見ると夜の七時半を回ったところ。
嬉しそうに目を細めてベヒシュタインのある部屋から視線を落とし、そしてソファーで勉強を進める早紀を愛おしそうに見つめた。俺はそんな白峰美鈴をじっと見上げる。
「話があるんじゃないんですか」
俺に視線を戻した白峰美鈴は、小さく頷いてテーブルの向かいに座った。



