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九月だというのに、まだうだるように暑い。来年の今頃は大学院の入試のためにとても忙しいんだろうな、と思いながらも、愛美や結子と遊んだり、アルバイトをしたりと大学三年の夏が終わっていく。
「持つよ」
買いこんだ食料品の詰まった袋を、酒井君がひょいと取り上げる。
「ありがとう」
他愛もない話をしながら歩いていく。わたしの部屋を目指す。
郵便受けを覗き込む。
いくつかのダイレクトメールと、エアメールが一通。
宛先は、梅野早紀様 ととても読みにくい字で。差出人は、Ketaro Yoshioka。これもまた、とても読みにくい文字で。
「圭太郎の弱点を見つけたな」
酒井君が苦笑いする。
「他にもたくさんあるよ」
心の中で数え上げながら、階段を登る。部屋の鍵を開けると、強い日差しに温められた空気が流れ出す。
冷蔵庫に食べ物をしまうと、エアメールの封を切った。
九月だというのに、まだうだるように暑い。来年の今頃は大学院の入試のためにとても忙しいんだろうな、と思いながらも、愛美や結子と遊んだり、アルバイトをしたりと大学三年の夏が終わっていく。
「持つよ」
買いこんだ食料品の詰まった袋を、酒井君がひょいと取り上げる。
「ありがとう」
他愛もない話をしながら歩いていく。わたしの部屋を目指す。
郵便受けを覗き込む。
いくつかのダイレクトメールと、エアメールが一通。
宛先は、梅野早紀様 ととても読みにくい字で。差出人は、Ketaro Yoshioka。これもまた、とても読みにくい文字で。
「圭太郎の弱点を見つけたな」
酒井君が苦笑いする。
「他にもたくさんあるよ」
心の中で数え上げながら、階段を登る。部屋の鍵を開けると、強い日差しに温められた空気が流れ出す。
冷蔵庫に食べ物をしまうと、エアメールの封を切った。



