「吉岡、申し訳ないが……」
鷲尾先生が圭太郎君に何か言う。圭太郎君は不服そうな顔をしながら、さっきわたしが触れた腕に手を当てた。
「白峰とは同じ大学の出でね、同じ教授に世話になっていたんだ」
そう言いながら鷲尾先生は、わたしと酒井君を出入口に促した。
「悪いが、席を外してもらえないかな」
先生に目をやると困った顔をしていて、圭太郎君はもっと困った顔をしていた。
圭太郎君のそんな顔を見たことがない。わたしはどうして良いのかわからず、また頷くことしか出来ない。そのまま酒井君と二人、控室から出されてしまった。
「僕だけ浮かれていてごめん」
酒井君はさして謝意はなさそうに謝る。サインの書かれたパンフレットと、握られた手を繰り返し見ては頬を弛ませている。わたしたちはすっかり人のいなくなったロビーで、ソファーに座っていた。
「ライスターさんて」
どんな人なの? と尋ねると、酒井君は声を弾ませて答えてくれた。
鷲尾先生が圭太郎君に何か言う。圭太郎君は不服そうな顔をしながら、さっきわたしが触れた腕に手を当てた。
「白峰とは同じ大学の出でね、同じ教授に世話になっていたんだ」
そう言いながら鷲尾先生は、わたしと酒井君を出入口に促した。
「悪いが、席を外してもらえないかな」
先生に目をやると困った顔をしていて、圭太郎君はもっと困った顔をしていた。
圭太郎君のそんな顔を見たことがない。わたしはどうして良いのかわからず、また頷くことしか出来ない。そのまま酒井君と二人、控室から出されてしまった。
「僕だけ浮かれていてごめん」
酒井君はさして謝意はなさそうに謝る。サインの書かれたパンフレットと、握られた手を繰り返し見ては頬を弛ませている。わたしたちはすっかり人のいなくなったロビーで、ソファーに座っていた。
「ライスターさんて」
どんな人なの? と尋ねると、酒井君は声を弾ませて答えてくれた。



