pp―the piano players―



 圭太郎君に続いて控室に入る。そこにいたのは、先生と髪の薄いおじさんと、銀髪の西洋人だった。談笑している。

「お、来たか吉岡」
 おじさんが圭太郎君に気づいて、それから先生と外国人がこちらを見る。
「そっちの二人は?」
 私のもう一人の弟子とそのお友達ですよ、と先生が答えて、先生は外国人にも何か言った。

「俺が大学でお世話になってる、鷲尾教授」
 圭太郎君に紹介されて、わたしと酒井君は小さくお辞儀をした。

「で、先生の師匠の、コンラート・ライスターさん」

 ライスターさんに握手を求められて、慌てて右手を差し出す。十度は楽に届きそうな大きな手に、ぎゅっと包まれた。

 酒井君も握手をして、それから顔を紅潮させてライスターさんに英語で話しかけた。
「僕はサカイナオタカといいます。あなたの大ファンなんです、お会い出来て光栄です」
 それから、今日の演奏会のパンフレットとボールペンを差し出して「サインを頂けませんか」と頼んだ。ライスターさんはにっこり笑って、それを受け取った。