「それなら一時離れるだけの旅ぐらいどいってことない。その後、その何倍も一緒にいたらいいんだもの」

 だから許して?
 そう伝えた。ありのままの気持ちを、包み隠さず言うのに抵抗がない、わけなんてないじゃない。
 恥ずかしくて死ねる。でも何時かは伝えないといけないことだと思うんだ。それが今になっただけのこと。


「分かった、合歓の気持ち分かったよ。聞けて嬉しい」

 そう言い、優しく抱き締められた。わたしも背中に手を回し、抱き締める。

「だけど条件があるんだ」

 少し離れて、お互いの目をよく見る。見つめ合う。

「期間は1ヶ月。もしもの時のために護衛を付けて行動。護衛が嫌なら、分からないように少し後ろに付いているだけでいい。何かあれば手紙を書いて護衛に渡す。そして危ない所には行かない」
「何それ、わたしは子ども?」

 そうは言うものの、分かっているよと気持ちを伝える。
 すると頭を撫でられた。

「合歓なら大丈夫だと思う。でも心配で夜も眠れなくなる」
「寂しいからって他の女(ひと)にいったら、わたしはこの世界からいられなくなるからやめて」
「それは大丈夫。昔から合歓一筋だから」

 ようやく落ち着いた雰囲気になり、一段落ついた。