「こちらは第一書庫。ここより離れた場所にも第二、第三書庫がありますが、ここは特に管理が厳しいのです。何故だか分かりますか?」
「第一にしかない重要なものがあるんじゃないの」
考えれば分かる話だ。
入口には警備の人がいるし、司書の人たちも忙しそうにしている。
それはまるで博物館の入り口みたいに荷物検査のようだ。
「鋭いですね。ここには毎年の国政情報、我が国の公文書に歴史書……などが保管されてます」
「ここが狙われたら、一網打尽ですね」
皮肉のつもりではないが、そんなに重要なら要人しか通れない場所に保管するとか、分けて保管すればいいのにと思った。
「利用する場合は予約をとる必要があります」
「ふーん、まあわたしが利用することはないと思うよ」
他にも洗濯風景や客室、離れた所に立つ教会など案内してくれた。
次はいよいよ国の中枢機関に乗り込……いや、見学させてもらう。
リュイスはどこでお仕事しているだろう。
突撃訪問みたいで胸が踊り始めた。


