「我が国は王政ではありますが、王が決定的絶対的な力はもってません」
「国務筆頭がいるくらいですから、政治に関する人がいるってことでしょうか」

 間違っていると思うと恥ずかしいから、曖昧に言う。しかし、どうやら考え自体はあっているようだ。

「政治も内政と外政に分かれておりますが、国務筆頭はどちらも担当します」

 それって、遠まわしに言えば、ジルさん自身が凄い人だと言っているようなことになると思う。
 だって若い人がそんなトップに就くなんて。いやもしかして意外と年食ってるとか?

「……すみません、ジルさんておいくつですか」
「なんですか、その疑うような眼は」
「だって、若くしてそんな役に就くなんて信じられなくて」

 女性じゃないからいいかなとストレートに聞いてしまったけど、大丈夫かな。

「あなたの考えていることはわかりましたよ、合歓様。答えにはなりませんが、我が国ではアカデミア制度というのがあり、簡単な話、成績優秀者は国の重要なポストに就くことができるのです」
(キャリア組ってわけですか)

 そして結局のところ、年は教えてもらえなかった。そんなことをされると余計に気になるじゃないの。せめて、既婚か未婚かくらい……。