皇妃さまの騒動があってからは平和な日々が続いていた。
 長閑な天気。
 そして、気が付いたらリュイスとの仲も自然になおっていた。


「あなたと直接会うのも久しぶりですね」

 今日はこれから政治の勉強。
 先生は国務筆頭のジルさんだけど、会うのはシロラーナに来て初めて会った時以来だった。
 灰色の髪に何を考えているのかよく分からないポーカーフェイス、少し、苦手かもしれない。
 でも必死に隠す。

「えぇ、いつも何かしらの問題や事件が勃発しましたからね」

 いざって時に、よく起こる。まぁ、この国の政治を担う国務筆頭だから忙しいのも分かる。

「でもいい加減やらないとあの管理者に睨まれてしまいますよ」
「ははは……お疲れさまです。今日は大丈夫なんですか?」
「えぇ、今日は代わりの者にすべて任せていますから」

 その時の彼の笑顔は不気味な程に爽やかだった。自然な笑みとは何か違い、少し怖い。


「それでは、まずこの国の政治の仕組みについてお話しましょう」