【長】純白花嫁


 カレンダーを見て一週間たつと、止まっていた心が再び動き出した。
 どうやって向こうに行くのか、さっぱり分からないけど、あの時のように念じてみる。

(行ける、わたしなら行けるーー)

 そう自分に言い聞かせて目を閉じた。


 次に目を開けた時、そこはもう一つのわたしの居場所、部屋だった。

「ヤッパリ、念じたら帰れるんだ」

 じゃあ早くからこうしていればよかった。その時、出来るかどうかは分からないけど。

 こっちに来たら、まず行きたかった場所ーー洗面所に向かった。
 容姿はやはり変化するのか気になっていたから。

「はぁ……やっぱり変わるんだ」

 初めて此処に来た時はゆっくりと変化したが、既にこちら側の体が馴染んだのか、白金色の髪に赤く透き通った瞳だった。

「いい加減、この姿にも慣れないと」


 部屋を出て、取りあえず、これからどうすればいいか、フロウのところに聞きに行くことした。
 このまま立っていたってどうすればいいか分からない。