【長】純白花嫁


 ……わこ、だれのこと。


 ――やっぱりわたしは一人なんだ。だから寂しいんだよ。

 ……なぜ。

 ――あの子も最近は冷たいし、あちらの子は生きているかも分からない。わたしには、彼の子たちだけがすべてなのに。

 ここで思った。可笑しな夢であるなと。
 聞こえるのは、不思議な声。小さな女の子の声、フロウと似ているのだけれど、悟っている彼女とは違い、無垢で何も知らない感じ。

 それに彼の子以外誰も知らないと言うのに、わたしと普通に喋っている。改めて思うと笑える。

 ……でもあなたは私と会話しているじゃない。
 ――そういえばあなたはだぁれ。

 そんなのは此方が聞きたいわ。
 あなたは一体……。


 ――わたしは ら な。

 名前を聞いても、やはりわたしは彼女のことは知らない。
 では何でこんな夢を見ているんだろうね。