ふと気になって、鏡を覗く。
自分の髪と瞳だ。
「あ、黒い」
あれほどに懐かしかった本物の姿に今度は違和感を感じていた。
たった数日なのに慣れは怖い。
そしてその後、目に入ったのは、純白の首飾り。
これだけは何一つ変わらず光っている。大きくなった秘玉を人差し指と親指で摘む。
「温かい……?」
何故だろう。これまでは何も変わらなかったのに。
僅かに温かい。
「本当に不思議だなぁ」
しかしこれ以上考えても虚しくなる。思考停止になるまでそう時間はかからなかった。
「……ふぁあ、一眠りしよっと」
ちょうど街を見て疲れているし、変なことを考えなくてすむ。
そう思うと、徐々に眠りについた。
――寂しいよ。
その声は誰の。
わたしの? それとも……。
――ねぇ、吾子。