「母上は周りの人間には冷たいし、恐ろしい。だけど、管理者に対しては憎しみを抱いているようにも感じて」
「子どものころからそんな風に思っていたのなら、今もそう思っていても仕方ないのは分かるけど」

 小さい頃のトラウマはなかなかなおらないのはわたしもよく分かる。わたしも未だに、ひとりになることには抵抗がある。知らない人でもいいから、周りに誰か人がいて欲しい。そう思っている。
 でもその、聞く話は少し以上に思えた。


 リュイスのお母さん――このままでいけば、わたしの姑になるかもしれない人。ドラマの見すぎかもしれないけど、話を聞いてますます怖くなった。人間関係に悩まされそう。

「フロウは怖いというよりも、厳しい人だと思うのよ。時々分けのわからないようなことも言ってくるけど。でも、何よりも本人が一番使命に燃えているように見えるの、その管理者として」

 仕事は事務的にきちんとこなしてそうなイメージがある。でも、その奥で何を考えているのかはさっぱり分からない。子どもなのに、表面も裏も見えない。一番謎多き人だと思う。

「合歓がそう思っているんだったらきっと大丈夫だと思うけど……、あと秘玉について何か聞けたのか?」