気が付けば、わたしの足は植物庭園の方に向かっていた。此処の花たちは、弱い心を洗い流してくれるみたい――。
「わたしも、こんな花になりたい」
ちょこんと座り、触りながらそんなことを呟いた。
後に、わたしを探しに来たリュイスを見つけたのはそのすぐ後。がさがさっと草を踏む音が聞こえたから。
呆れたと同時に、こんなわたしでも見つけてくれる人がいるんだと思うと、なんか心の奥が温かくなった。
これまでに味わったことのない思いに、初めてこの世界でも何とかやっていけるかもしれない、なんて思った。
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