【長】純白花嫁

 さて、プライベートではお互いに充実した日々を送ってはいるが、公としてはそうでもない。
 むしろ、追われる日々になってきていた。

 国の要人たちを集めた会議では妃の懐妊について、いつ発表するか……そんな議論が繰り広げられている。
 すぐにでも発表すべき、まだ発表するには早すぎる、体調を考慮して安定期頃がいい、など様々言われているが、誰もが喜びを露わにしているのは確かだ。

 さらに、それに重なるように神寵姫の再任の儀式をいつにするか、ということも話し合われている。
 マナちゃんに関しては、かつてはナーディアその人であったために、就任ではなく、再任という形になるらしい。

 いずれにしても、それらはわたしの意識するところ以外で決定するので、あまり気にも留めていない。
 それよりも、これからの寒くなる季節に向けて、人々の暮らしをどう保障していくか、という方が大事だった。

 都市と田舎間との流通をもっと盛んにし、食糧が廻るように、今新しく案を考えているところだ。
 それとわたしが庭で育てている花々や野菜も時期を迎える。花は観賞用で売れば金になり、それを寄付金にまわす。
 野菜の方はそのままでも食材として売れるし、種を与え、より多くの人が育てることができるようにもしてみようかと思う。

 シロラーナは、神から預けられた国。その恩恵なのか、600年経っても色あせることなく平和が続いている。
 しかしながら、目には見えない苦労は多い。
 侵略などはしていないために、ほとんどが自給自足の生活。凶作の年などは、多くの人が苦しむ。
 それを回避するためには、貴族のもつ財を村や街にもまわす必要がある。