【長】純白花嫁

「このころには大きな症状はまだですが、よく眠くなったり、乳房が張ったりします。さっき聞いたことと当てはまるでしょう?」
「……確かに」

 そんな小さなことすら見逃さない。お医者さんはすごい。

「あと、この妊娠して最初のころはお子が流れる可能性も高いので、十分に気をつけてくださいね」
「あ、はい」

 そう、わたし一人の問題じゃない。この子は皇族の血を引く子。
 この国の未来がかかっている。もしわたしのせいで、流産なんてことになったら、おそらく非難を茫々にあびるだろう。

 でも大丈夫。なぜかそう思う。
 あの森の中で、言われた言葉があったから、そうそう思えるのかもしれない。
 この子がいずれ、このシロラーナの国をより発展に導いてくれると信じているから。
 そのためになら、わたしは何だってしよう。


 あぁ、子どもがお腹にいるってだけで、女はこんなにも強くなれるんだ。
 いや、女から母に意識が移り変わっているんだろう。


 これからの検診に向けて、新たな気持ちに切り返させられた時間だった。