【長】純白花嫁


 ふと歩く道。いつの日だったか植えた種たちは、少しの間で芽を出し、大きく成長している。
 早いものはすでに花を付け、実がなるものもあと少しだろう。

 思えば、ここに来てから結構長い時が流れた。
 はじめは美しい庭を見て、自分の居場所がないと泣いていたこともあったな。
 それでもこうして、笑顔でこの庭を自分で新しく造り変えることができた。
 これからも、こうして新しい毎日を迎えるのだろう……。


 部屋へ戻るだけだけど、散歩気分で庭をまわることができた。
 こうしてゆっくり帰っているのには、もちろん理由がある。

 二人と話をしていた時、妊娠したのなら、侍医に診てもらう必要があるでしょう、と何回も言われた。
 確かに、実際に診てもらって確認してもらった方がいいかもしれない。
 それよりも、ただのわたしの妄想でした、で済むのではないかと少し怖い気もした。
 でも、二人そろって大丈夫だというのだから、と自分の心に言い聞かせて帰り始めたのだった。

 これで正式に判明したのなら、正式な妃としての披露目やその報告もしなくてはならない。
 それはそれでまた忙しくなりそう。

 でも、いやな気分じゃない。
 今、とても気分がいい。不思議ね。妊婦さんって不安……情緒不安定になったりするものだと思っていたのに。
 まだ膨らんでいないお腹をそっと触ってみた。