「自分のことは顧みず、民たちのためにすべてを擲ってまで、この国を護った。自分の力がなくなってでもね」
「そう、だから私たちが造り出された。自分はもうこの地にて手助けすることが出来ないから。私たちを通して間接的に護ることが出来るようにと」
管理者と神寵姫ってそんな意味があったんだ。
直接皇族の系譜を管理する者と、言葉や想いを民に伝える者と。形はなくとも、いつまでもこの国のことを願っているのがわたしにだって、伝わってくる。
「最初に造られたフロウは、神の人形(ひとがた)を似せて造ったのに、性格までは似なくてね……フロウを造ってほとんど力尽きたから、私は魂だけ造られた」
「性格までは似なかったって」
フロウの顔を見る。あの森の中で出逢った女神を思い出す。
二人の姿は確かによく似ていたけど、性格の違いか、微妙に表情は違っていた。あの少女は柔らかくて穏やかな顔を向けてきたけど、フロウはというと。
生真面目な顔に時々見せる余裕の笑み。何か違うことはわたしが見てもよく分かった。
「私は、自分の使命を全うしているだけです」
ただ、それが悪く忠実なのかもしれないけれど。
それでも、フロウはフロウらしく、この国を護り続けているとわたしは思う。
「そう、だから私たちが造り出された。自分はもうこの地にて手助けすることが出来ないから。私たちを通して間接的に護ることが出来るようにと」
管理者と神寵姫ってそんな意味があったんだ。
直接皇族の系譜を管理する者と、言葉や想いを民に伝える者と。形はなくとも、いつまでもこの国のことを願っているのがわたしにだって、伝わってくる。
「最初に造られたフロウは、神の人形(ひとがた)を似せて造ったのに、性格までは似なくてね……フロウを造ってほとんど力尽きたから、私は魂だけ造られた」
「性格までは似なかったって」
フロウの顔を見る。あの森の中で出逢った女神を思い出す。
二人の姿は確かによく似ていたけど、性格の違いか、微妙に表情は違っていた。あの少女は柔らかくて穏やかな顔を向けてきたけど、フロウはというと。
生真面目な顔に時々見せる余裕の笑み。何か違うことはわたしが見てもよく分かった。
「私は、自分の使命を全うしているだけです」
ただ、それが悪く忠実なのかもしれないけれど。
それでも、フロウはフロウらしく、この国を護り続けているとわたしは思う。


