【長】純白花嫁

 わたしの想っていたことが分かったのか、マナちゃんは応えてくれる。

「ほら前に言ったでしょう、女神さまがあなたに逢いたいって」
「うん、そう言えば」
「で、逢った。その夢の中で出逢った方こそ、この国を創った女神さま」

 ……なんとなく、そんな気はしていたのかもしれない。
 心のどこかで、そんな風に思っていた。

 でもとても不思議だった。あの場所で、あの姿で、あんな形で出逢ったことに。

「といっても、神はもうすでに実体するだけの力がないの。この国にすべてを懸けたことで。でもあの方の想いは、願いはいつまでも私たちを護ってくれる」
「そういえば、逢って最初にお礼が言いたいって言っていた。マナちゃんのことずっと心配していたって」
「そう、とても慈愛に満ちていて、純真な方だから。いつまでも子どもの心をもっていて。あの方こそ、元祖の白だった」

 何物にも染まらない白。心は成長してもいつまでも純粋なままだから、あの姿をしているのかもしれないと語る。
 いつまでも、子どもの心を忘れない神様か。

 今でも記憶に鮮やかに蘇るその人の姿を記憶に刻んでおく。
 この先も、ずっとずっと忘れないために。