【長】純白花嫁

 本当に。本当に、そうなのだとしたら、わたしの秘玉も完成したということになるのかな。
 自然と首元に飾ってある秘玉を取りだす。
 不思議なことに、今までにない重さがした。違うと感じた。

「こ、これ」

 ここ最近は服の中に仕舞い込んであった。じっと見る機会なんてなかった。
 それでも、明らかな違いを感じることはできた。

「わぁきれい。真っ白ね。それでいてとても透き通っていて、純粋なしろ」

 横から見ていたマナちゃんが感嘆の声をあげる。その言葉にわたしも嬉しくなった。

「これが貴女の秘玉飾り。世界で、歴史上でこれだけしかない貴女の」
「わたしの、秘玉」

 大きな4つの玉は以前見たときと変わらなかったが、それを繋ぐように中小の玉が線や螺旋を描くように結ばれていた。
 どれ一つとして、同じ玉はない。どれも一つ一つ違う、その違いを感じ取ることができる。

「白はね、元の色。すべての色は元は白だったんだよ。それでいろんな色に染まっていく。他と違って、素朴だけど、とても美しい。それに、白は何にも混じらない。いろいろ染まっていくごとに、色は黒くなるけど、白はその影響を受けない」
「そう、強い信念の現れた色ね」
「でもそれって頑固って意味にも取れるよ?」
「自分のことばかりの自己中は透明なんだよ。その時々によって色を変えらる。でも白は一度染まると、もう元に色には戻らない」

 白には、そんな意味があったんだ。