いつもと一緒なのに、わたしの気持ちだけは違っていた。
 そして、フロウの部屋に向かったときも、普段と少し違っていた。

「あれ、マナちゃん。久しぶり、どうしたのこんなところで」
「ふふふ、久しぶり」

 予想外の人物、今や神寵姫その人と判明したマナちゃんがフロウの部屋でお茶を飲んでいる。
 フロウはその後ろにいる。どうやらお茶会をしているようにも見えるが。

 マナちゃんは意味深な笑みを浮かべこちらを見ている。思わず、身震いしてしまう。

「どうしてここにいるの、って顔をしている。まあ気になるよね」
「そりゃそうだよ。どうしてここに、てか神殿にいなくていいの?」
「“今の私”自身はまだ神寵姫を継承していないから、結構自由が利くんだ。継承したらほぼ神殿に引き籠るからその前にいろいろ楽しんでいるの」
「そうだったんだ……で、どうしてここに」

 マナちゃんに会えて素直に嬉しかったわたし。今まで通りに接することが出来て、安心したのかもしれない。

「預言だよ」

 わたしが聞き返すと、再びにやりと笑う。たった今、神の言葉を受け取ったから、それを伝え、また確認に来たと。