長い夢を見ていたような気がする。
 でもどこか心地よく、温かい気持ちだ。

 目が覚めて間もない時、夢か現実かまだ曖昧で分からなかったが、次第に意識が覚醒していく。
 今のこの時は現実であると改めて認識する。

「あの夢、は一体なんだったのだろう」

 夢の内容も、今となってははっきりと覚えている。
 これまで夢を見ても、起きたら忘れてしまうことが多かったのに、今回ばかりは反対で、意識がはっきりする事に、夢の内容も色鮮やかに思い出される。


――“フロウ”に聞いた方がいいわ。


 今の声。

 忘れることなんて出来やしない。少女の言葉一つ違えず覚えている。
 そう、フロウに聞いたらいい。彼女なら何か分かるかもしれない。
 いや分かるはず。核心はもてないけれど、なぜかそう思った。

 それに。
 少女は言った。わたしのお腹の中に赤ちゃんがいるといった。それも本当なのか、確かめたかった。
 そして、彼女が予言したあの言葉も気になる。
 すべてはフロウに出会ってからだ。

 ベッドから体を起こし、普段フロウがいる場所まで足を運ぶことにした。

 太陽が一番高く昇っている時。わたしの気持ちもかつてないほどに、高揚していた。