【長】純白花嫁

「それでどういうことなの?」

 不躾で失礼極まりないと思うが、聞かずにはいられなかった。
 わたしたちの間に音もない静寂が訪れる。

「思い出したけど、まだ私自身がよく把握し切れてなくて」
「む、無理なら別にいいけど」

 本当は知りたいけど、やっぱり無理だけはしてほしくない。
 そう思っていたのが伝わったのか、マナちゃんはわたしの手を握ってきた。

「ううん、今まで支えてくれたあなただからこそ、そしてこの国の妃だからこそ知っていてほしい」

 まだ体温はひんやりとしており、わたしの手を通して伝わってくる。
 応えるように、その手を握り返した。

「簡単に言うとすべての原因はあの神祇官にある。ことの発端は20年前」
「というと、以前神寵姫が消えたころですね」

 フロウが返す。その言葉に思い出すのは、来て間もないころに城下を見に行った時だ。
 今では見慣れてしまったが、街には崇拝の証のように、神寵姫の像がある。そして、20年程前に2代目が消えたことを聞かされた。

 そのころからすでにヒントはあったとでもいうのか。