【長】純白花嫁

「甦らせた……？」
「マナちゃんはわたしと同じ世界にいたの！ デタラメを言わないで!!」

　当事者とも言えるマナちゃんは次第に震え上がる。
　しかし、あろうことか味方のはずのフロウがそれに同意しかけた。

「確かに、初めて会った時は驚きました。ナーディアそっくりかと思ったけど、違う。そっくりではなく、そのものだと」
「ふ、フロウ、どういうことなの？」
「神寵姫は片割れ。見間違うなんてことはない。彼女を構成している要素は私と同じ、神の眷族だから」

　意味が分からないのはわたしだけではなかった。
　マナちゃんも同じようだ。

「しかしあなたがなぜこのようなことをしたのか分かりません。もし神のもとまで事が及ぶのなは、私がせずとも罰が下ると思いますが」
「ははは……もとより承知の上だ、それにもう力無き神に従う理由すらない。これまで神殿に従事してきたのはナーディアがいたからに他ならないからな」

　もはやわたしは口を挟めない。けれどそれ以上に驚愕しているのはマナちゃん自身だった。

「どういうこと？ わからない、わからないーー何も分からない!!」

　そう叫び、椅子から立ち上がり、部屋から出て行った。