でもマナちゃんはフロウに護られたので安心したのか、一歩前へと進む。

「私はナーディアじゃない。今日はあんたに真実を伺いに来た」

 なぜここに喚んだのか、なぜナーディアと呼ぶのか。

 取り敢えずわたしたちも座り、いよいよ始まる。

「こちらは新しくリュイス皇子の妃になられた……ネムです」

 この度は一緒に同行してもらっています、と付け加えた。

「でも一年近くまともに出仕していないあなたは知らないかもしれませんね」

 フロウの嘲る姿も初めてであり、こちらの方が上位であることを見せしめるようである。

「秘玉のこと以外では介入してこない管理者がわざわざ出向くとは。こちらの妃の護衛か」

 しかし向こうも平気でそんなことを口にする。

「もしこれに神寵姫が絡んでいるのだとしたら、片割れとして見捨てる訳にはいかないから」

 ……片割れ?

「ならあんたにだって分かろう。この者の姿を見て! 二代目神寵姫ナーディアそのものを甦らせることができたことに!」

 マナちゃんの方を指差して叫ぶ。